アカデミックハラスメントとは(アカハラ)?具体例や処分はどうなの?

ハラスメント

パワハラ、セクハラと同じくらい注目されているアカハラ。

アカハラが原因で、精神的に追い込まれて大学を退学、時には自殺をしたりと深刻な事態が起きています。

そもそもアカハラはどんなことを指すのか、どんなことが具体例としてあるのか、アカハラをした側の処分はどうなるのか見ていきたいと思います。

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●アカデミックハラスメント(アカハラ)とは?●

アカデミックハラスメント(アカハラ)とは、大学や大学院などの学術機関で、教職員が自らの立場や権力を利用して、学生に対して嫌がらせをし、学生の就学、研究、教育に損害や精神的、身体的に不利益を与えること。

人権侵害にあたるパワハラの一類型にも分類されます。

NAAH(アカデミックハラスメントをなくすネットワーク)はアカハラを【研究教育に関わる優位な力関係のもとで行われる理不尽な行為】として定義しています。

※和製英語のため、海外では通じないので意味を問われたときは説明が必要※

国立大学法人岡山大学が公表している平成16年~平成28年度までに報告されているアカハラの報告数は学生だけで75人が被害にあったと報告がされています。

教員や職員などを含めると95人で、約80%の学生がアカハラを受けているというデータとなっています。

興味深いのは、一部重複する部分はあるにしろ、被害者=加害者だけでなく、被害者>加害者、被害者<加害者となっている年がありました。

複数の加害者が特定の被害者に対してまたは、一人の加害者が複数の被害者にアカハラをしていたということになります。            

引用:国立大学法人岡山大学におけるハラスメント相談受付件数

アカハラに重度なものから軽度と思われるものまでさまざまな事例が存在しています。

次からはアカハラの具体例についてみていきたいと思います。

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●どんなことがアカハラに?具体例は?●

アカハラに当あたる事例は以下になります。

学習・研究活動への妨害

・研究テーマを与えない

研究テーマを与えられないと、その学生は論文作成や単位取得ができなくなり卒業自体が危うくなってしまいます。

既に企業へ内定が決まっている学生への影響はかなり大きいものになります。

・文献や実験器具を使わせない

研究に必要な文献や実験器具を使用させないことや、その物を管理している部屋への出入りを禁止することも該当します。

他大学の資料などを借りることができれば、論文などには影響は少ないですが、提出物拒否などの対応に拡大することも予想されます。

・実験機器や試薬などを勝手に廃棄する

実験や論文が進まないように試薬や研究データを正当な理由なく廃棄などをして妨害する。

・研究室や教室の机を与えない。部屋を意図的に隔離する

正当な理由がないにも関わらず、活動の場を与えない、ほかの人と故意に状況を悪くさせることも該当します。

・研究費の応募申請を妨害する

研究のための費用が下りないことには研究が進まなくなってしまいます。こういったことも該当となります。

Ⅱ卒業や単位、進級への妨害

Ⅰと重複する部分も一部あったりしますが、直接的な妨害になります。

・卒業論文や研究などが開始して間もないにも関わらず、留年を言い渡す

開始1か月や2か月など、日数は経っていなが落第とするなど。

・正当な理由もなく単位を与えな

講義を1度休んだ。1度だけ遅刻をしてきた。寝ていた。などを理由にして単位を与えないことも該当します。度が過ぎれば正当な理由として考えられますが、偶発的なこともあり得るため、1度だけでは正当とは認めにくい。

・卒業・修了の判定基準を恣意的(しいてき)に変更し、卒業をさせない

恣意的…自分の思うままに振舞うさま。

判定基準があるにも関わらず、勝手に基準を変更し卒業を阻む行為もアカハラとなります。

Ⅲ選択権の侵害

就職や進学妨害、異動強要など。

・望まない学習や研究テーマなどを押し付ける

研究や論文を作成する学生本人の意思とは反する研究などをさせることも該当。

Aを研究したいがBをやらないと単位を与えないなど。

・就職先や他大学へ推薦書を書かない

推薦書を書くにふさわしい学生であっても、多忙や面倒などの理由で推薦書を書かないこと。

・就職活動を禁止する

自分の研究を手伝わせるために就職活動を禁止して、卒業後の活動に制限を与えることも該当します。

・内定企業に圧力をかけて内定取消をさせる

学生が内定をもらった会社に内定を取消すようにはたらきかけることも該当します。教員が推薦する企業に就職を促したいがために行うこともあるようです。

・他大学や研究機関へ異動を強要する

自分の管轄ではなく、別の場所で研究を進めるように成果を認めないなどの行為も該当となります。

Ⅳ研究成果の奪取等

研究論文の著者を決めるルールを破ること、アイデアを盗用するなど。

・論文への共著者を強要する

一部の加筆・修正にもかかわらず、共著者として論文へ記載することを強要することが該当します。

・第一著者への強要

共著者の強要と同様に、ほんの一部にしか関わっていないが、第一著者とするように強要すること。

・論文の盗用や盗作

学生が提出した論文を、自らが作成したものとして発表することや、一部分をゴッソリ盗用することが該当します。

・学生が提案したアイデアを使い論文を書く

学生発出のアイデアをそのまま自分の論文に、あたかも自分発出のように使用することも該当します。

Ⅴ暴言や過度の叱責

その場に本人がいようがいまいが、傷つけたり貶めたりする言動をとること。

・論文の破棄や受け取り拒否

提出された論文や研究成果を受け取らなかったり、その場で破り捨てる、ゴミとして廃棄するなど。

・小さなミスで大きな叱責をする

講義中に多少の私語をしただけで、大勢の前で怒鳴りつけるなど。

Ⅵその他該当する行為

・物を投げる、物を叩くなどをして相手を威嚇する

・指導としてふさわしくない場所での指導

ホテルや居酒屋、閉鎖された空間など、指導をするとして似つかわしくない場所へ呼び出して指導をすることも該当します。

・交際の強要

立場を利用して学生との交際を迫ることも該当します。

交際に応じなければ単位を与えないなどの事例も存在します。

・深夜や常識の範囲外と思われる時間に指導をする。

・プライベートなことしつこく聞きだす。

彼氏、彼女関係などを問いただしたり、生活環境などプライバシーにかかわることを無理に聞きだすことも該当します。

・アルバイトや旅行等の禁止

学校や教育機関外の行動にまで制限を加えることも該当となります。

 

ここからは実際にあった具体例となります。

  • 2006年 高崎経済大学にて進級を条件に不当に多い課題を達成不可能な期間設定で提出を支持され、その生徒は自殺してしまった。
  • 2009年 東北大学大学院にて2年連続で博士論文の受け取りを拒否されたことで自殺してしまった。
  • 2010年 京都大学の教授が論文執筆中の院生に対して、論文を共著とするよう強要してそれを拒むと留年させると通告された。
  • 2012年 東大人文社会学研究科の教授が、研究テーマを押し付ける、帰省やバイトなどのプライベート生活に介入する、適切な指導を行えないにもかかわらず自分との共同作業を強制するなど、複数のアカハラを行っていた。
  • 2018年 関西大学の元大学院生が、教授から研究を中止させられるなどのアカハラを受けたとして大学と教授に慰謝料の支払いを求めた訴訟の判決が出た。その裁判では大学と教授へ約86万円の支払いを命じた。

その他の具体例

  • 1か月以上にわたり、深夜から早朝にかけて実験をさせられ、一日休んだだけで、「やる気があるのか、お前には単位をやらない」と言われた。
  • 指導教授から、授業の手伝いや私用を押し付けられ、一度断ったら、「おまえは指導対象外だ、もう来るな」と言われた。

 

●アカハラへの処分はどうなる?●

実際にあったアカハラの事例にもあるように裁判にまで発展し司法処分にまで至ったケースも存在します。

そのほかどんな処分があるのか、過去にあったのかみていきます。

  • 大阪市立大学にて2011年6月から2018年5月までに17人の男女、計61件の被害に遭ったと認定し、当該教授を停職3カ月の懲戒処分に。
  • 横浜市立大学では、国際総合科学群の男性教授が、20代の女子学生4人に具体的な指示をせず繰り返し叱るなどをしたとして、停職2カ月の懲戒処分に。
  • 外国人留学生に対しての差別的発言や学生へのセクハラ行為など、教育者としての適格性を欠いているとして懲戒解雇に。
  • 飲み会への参加強要や交際をせまる、予定のない日に学生に運転手をさせるなどの行為で減給(平均賃金1日分の1/2)に。

軽いものは減給で重いものは懲戒解雇や裁判まで。

一口にアカハラといっても処分は多様にあるようです。

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